地域再生の「起死回生コンセプト」(4)

これまでの投稿でお伝えしたように、真鶴町・湯河原町・箱根町・山北町・中井町は、すでに少子高齢化率が「5~8」という、いわば“絶滅危惧レベル”に達しています。さらに、2050年には小田原市・南足柄市・松田町・大井町も同様に、少子高齢化率が「5」に達すると予測されています。もはや、これは他人事ではありません。神奈川県西部全体で考えるべき「地域再生」の課題です。

そんな中で、唯一明るい兆しを見せているのが開成町です。現在の少子高齢化率は「1.84」、2050年でも「2点台」を維持する見込みで、「2050年自立持続可能自治体」にも指定されています。
(ちなみに、現在、神奈川県内で少子高齢化率が1点台なのは、川崎市と開成町のみです。)

ここに地域再生の「起死回生」のヒントがあると考えています。
隣接する静岡県の長泉町や、山梨県の忍野村も同じく「2050年自立持続可能自治体」に指定されています。これらの自治体に共通しているのは、以前ご紹介した“4M(ヒト・モノ・カネ・情報)”が集まる拠点を持っていることです。

かつては、地域の発展は農業や工業などの第一次・第二次産業に支えられ、それらを中心にした企業城下町として栄えてきました。しかし今では、資源の枯渇や環境問題、グローバル競争、そして新しい技術の登場により、そうした町の多くが衰退しています。石炭、造船、繊維、鉄鋼といった産業が衰えたのは、周知の事実です。

たとえば身近な例で、御殿場線の要所として栄えた山北町も、交通インフラの変化によって衰退しました。かつてフィルム工場で活気のあった南足柄市も、デジタル化の波に押され、今ではかつての勢いを失っています。

成熟した技術による製造業は、一部の管理職と多数の作業者によって成り立っています。そのため、最終的には“コスト=賃金”の競争になります。こうした労働集約型の産業は、需要との相性、つまり価格競争力がなければ生き残ることができません。この事が工場の地方や海外への移転ラッシュを招き、バブル崩壊・国内空洞化に繋がったのも、周知の事実です。

開成町が富士フイルムの研究施設群を誘致したのは、とても賢明な判断だったと思います。

これからの社会の動きを見越して、医療・介護、環境・災害対策、宇宙開発などの分野に向けて、ITやAI、半導体、量子技術といった高度な知識集約型の組織(企業や国家プロジェクト)を積極的に誘致すべきです。

個人的な感想ですが、近年、機械や建築、建設土木といったハードウェア分野が軽視されている気がします。ハード系とITやAIの融合性をもっと追求し、親和性の高い研究開発が必要です。

その良い例が、トヨタが静岡県裾野市で間もなく一般公開する「ウーブン・シティ」です。ここでは未来の交通流通技術を実証実験する予定で、ハードウェアと最先端技術の融合を目指しています。

次回は、この方向性をさらに具体的に深掘りしていきたいと思います。

 

※少子高齢化率は右記の資料からデータを読み込んでいます。 総務省の統計ダッシュボード - 人口ピラミッド

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