ジェンダーギャップ指数(3)

北欧の暮らしを理解するうえで、まず「気候」に触れておきたいと思います。日本も四季のある国ですが、デンマークなど北欧の季節の変化は、それとは比べものにならないほどメリハリがあります。
例えばデンマークの首都コペンハーゲンでは、冬の日照時間は朝9時から午後3時までのわずか6時間しかありません。逆に夏は朝4時から夜10時まで、18時間も明るいのです。
労働環境も特徴的です。デンマークは週5日・37時間勤務が基本で、法的な昼休みは存在しません。オフィスの多くは朝9時に始まりますが、店舗や工場では朝7時から働くところもあります。
たとえば冬のある日、氷点下15度という厳しい寒さのなか、朝7時に出勤し、昼食を取らずに午後2時半には仕事を終えて帰宅する──そんな日常も珍しくありません。
面白いのは、夏も勤務時間は冬とほとんど変わらない点です。つまり、仕事が終わったあとの時間を「第二の一日」として楽しむライフスタイルが定着しています。
たとえば、帰宅してから昼食をとり、夕方からの6〜7時間は「生活時間」として:
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家族とピクニックやスポーツに出かけたり
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自宅のDIYやガーデニングに取り組んだり
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冬には、家でお菓子や料理を作り、編み物や裁縫、家具の修理などをしながら、
家族や友人と「ヒュッゲ(くつろぎの時間)」を楽しんだり
といったように、仕事と生活をきっぱり分けて、どちらも大切にする時間の使い方をしています。
また、勤務時間中はとても効率的です。ホワイトカラーもブルーカラーも、自分の担当業務以外には基本的に関与しません。無駄な会議や横やりはありません。各自が自分の仕事に集中し、定時にしっかり終わらせます。
こうした働き方が、デンマークが「幸福度」「仕事の効率」「国際競争力」などのランキングで上位にある理由なのです。シンプルですが本質的な話──「自分の仕事に余計なことを持ち込まない」、それが高い生産性と豊かな暮らしを両立させているのです。
「生活時間」に目を向けてみましょう。北欧では、家族そろって菓子作りや料理を楽しんだり、家具を手作りしたり、編み物や縫い物をしたりと、家庭内の時間を大切にしています。また、ピクニックやスポーツ、DIYなど、外での活動も積極的に行われています。
子育てや教育についても、夫婦や恋人同士が協力し合って取り組むのが当たり前の文化です。こうした日常の中で、男女の役割に大きな違いはなく、自然とジェンダーギャップも少なくなっています。
政治の世界は、人々の生活に深く関わるものです。ですから、生活の中に男女差がない北欧では、政治や国の代表の場で女性リーダーが多く活躍しているのも、当然の流れといえるでしょう。


