自国ファースト(2)

自分の国や地域を大切に思い、誇りや愛着を持つのは、ごく自然な感情です。「自国ファースト」という考え方も、基本的に尊重されるべきです。しかし、それを理由に外国人を排除したり、差別したりするのは間違いです。
先日の東京都議選では、小池知事が掲げた「東京大改革」の旗のもと、「都民ファーストの会」が大勝しました。
東京は、少子高齢化の進行が全国でもトップクラスにゆるやかで、さらに多くの人・物・金・情報を引き寄せる「ブラックホール効果」もあるため、今後ますます成長して、いずれニューヨーク、パリ、ロンドンを凌駕する様な世界一のメガロポリス化する予兆さえあります。
東京から離れて、久しぶりに訪れたときに、その変貌ぶりに驚かされます。
東京には、都市機能を支える十分な4M「人・物・金・情報」が揃っているため、問題を抱えつつも、声高に「都民ファースト」を叫んでも、成長のサイクルから外れることは考えにくいです。
一方、今回の参議院選では、一部政党が掲げた「日本人ファースト」という主張が注目を集め、議席を大きく伸ばしました。
地方でも、このような精神論に共感する人が一定数いることが、投票結果から分かります。
しかし、地方の小さな町では、4M「人・物・金・情報」を受け入れる土台が十分でない中、この件に倣い「町民ファースト」などと叫んでよそ者を排除するのは、まさに自滅への道です。
とりわけ神奈川県西部地域では、町によっては5〜8人の高齢者を1人の子どもが支えている現状で、全国トップクラスの少子高齢化が進んでいます。外国人はもちろん、まずは日本国内からの移住者を積極的に受け入れなければ、2025年を迎える前に、町の存続すら危ぶまれます。
ただし、ここで大切なのは、「誰でも良いから受け入れる」という姿勢ではいけないということです。
移住者が日本人であれ、外国人であれ、地域のルールを守り、文化や習慣の違いがあっても、秩序あるゆるやかな共生社会をともに築いていける人であることが必要です。


