稼げる事業 大学・高専の起業支援プロジェクトと連携

「自然豊かな町で、伝統ある雰囲気を崩さず、仲良く笑顔で節度ある町づくりを」――このキャッチフレーズは、親子3世代同居が当たり前だった昭和の高度成長期なら、とても温かく心に響いたと思いますが、時代錯誤です。
現代では、30年に及ぶ経済停滞と少子高齢化によって、松田町は「若者1人で高齢者4人を支える」という深刻な人口構造に直面し、「消滅可能性都市」つまり「絶滅危惧集落」寸前まで追い込まれています。
本当に子や孫の未来を考えるなら、今必要なのは「伝統を守るだけのまちづくり」ではありません。13階建てマンションの建設にとどまらず、更に高層住宅を整備し、東京をはじめとする他地域から子育て世代を呼び込んで人口を増やす発想こそが、町の再生に向けた第一歩です。
その好例が、隣町の県内人口増加率1位を誇る開成町です。県内で「自立持続可能性自治体」と認められた開成町は、駅前や町内に計画的な住宅整備を行い、他所から子育て世代を受け入れることに成功しました。交通の利便性で勝る松田町に、それができないはずはありません。「土地がない」という声もありますが、土地が足りなければ知恵で解決すれば良いのです。本来、こうした議論こそ前面に出るべきなのに、あまり聞こえてこないのは不思議でなりません。
「均衡縮小論」――つまり規模を縮小して現状維持を図る考え方は、企業でも町でも国家でも、決して取ってはならない「悪手」です。
財政を豊かにする為に、農業や観光資源を活用することも有効ですが、全国で同じような取り組みが繰り返されており、加えて、更に「独創的」な新しい「突破口」が必要です。量産型工場の誘致は、日産の工場閉鎖の例を見てもこれからの時代に合っていません。
むしろ今こそ、国や企業が進める「大学・高専の起業支援プロジェクト」と連携し、松田町の地政学的な強みを活かせる「知識集約型の稼げるプロジェクト」を誘致すべきです。これが、町の未来を切り拓く現実的かつ持続可能な戦略の一つだと考えます。


