数字でみる少子・高齢化の実態 (3)・・・2050年の世界の人口構造

2050年までは残り25年です。わずかです。日本は災害大国でもあり、世界情勢も分断が進んでいますから、今後大きな自然災害や予想外の事態が起こらないとは言い切れません。それでも、何事もなく推移した場合、2050年の世界人口構造はおおむね次のようになると予測されています。
よく「少子高齢化は先進国共通の課題」と報じられますが、これは大きな誤りです。深刻な少子高齢化が進んでいるのは、日本、韓国、台湾、香港、そして急速に同じ状況へ向かう中国など、東アジアのごく限られた国・地域に集中しています。
下の円グラフで示す緑色は“現役世代”を意味します。この層が厚ければ厚いほど、国力は維持されやすくなります。
➀ 欧米諸国のケース
欧米の国々では、「現役世代が人口の約7割」を占めています。「若者(黄色)と高齢者(茶色)がほぼ同じ割合」で世代交代するため、人口のバランスが保たれています。預金に例えるなら、支出(高齢者)があっても、収入(若者)がしっかりあるため、預金残高維持=国力が維持される“安定的なパターン”です。当面、少子高齢化とは無縁です。

➁ 日本・韓国・台湾・香港・中国のケース
一方、日本・韓国・台湾・香港では、「現役世代が全体の約5割」にとどまっています。「若者1人に対し、高齢者が4〜8人」という極めてアンバランスな人口構成です。預金に例えると、支出(茶色)が増える一方で、収入(黄色)が追いつかず、預金残高が減り続ける=国力が衰える“深刻なパターン”です。そして、急速に同じ状況へ中国が後追いしています。

➂ アフリカ新興国のケース
アフリカの新興国は、「典型的な“ピラミッド型”の人口構成」で、若年層と現役世代(労働人口)が今後も大きく増えていくと見込まれています。もちろん、社会基盤の不足や地政学的な不安定さなど、抱える課題は多く、将来予測は容易ではありません。しかし、人口増加という強いエネルギーを背景に、世界への影響力を確実に高めていくと見られています。

➃ アジア新興国のケース
アジアの新興国は、「戦後の日本がたどった成長モデル」に近い発展パターンを示しており、今後、世界の経済や国際政治の場で存在感を大きく強めると予測されています。なかでもインドは情報産業や高度IT人材の分野で国際的な影響力を急速に拡大しています。人口規模と若い労働力、ハイテク分野での競争力を背景に、今後はさらに重要なプレーヤーとなることが確実視されています。

以上の状況を踏まえると、日本は中国や韓国等の近隣諸国と、政治的・経済的な対立に時間を費やしている場合ではありません。むしろ、「日本が主導して東アジア全体の将来を見据えた、より高い視点での互恵的な関係」を築いていく必要があります。
このまま各国が対立や不信感を抱え続けていれば、欧米をはじめとする国際社会から、「日本を始め東アジア全体が存在感の低下する地域」として見られてしまう危険さえあります。

