世界史上まれな平和国家・日本 ――戦後80年の平和を守るというSDGs

人類はホモ・サピエンスの時代から、同族を守るために争いを繰り返してきました。古代・中世・近代を通じて戦争は絶えず、現在でも世界各地で紛争が続いています。つまり、悲しいことですが、人類の歴史は戦争の歴史だと言えます。

その中で、日本の戦後80年は、日本史的にも世界史的にも極めて例外的な時代です。内乱や対外戦争を含め、約80年にわたって戦争が一度もなく、海外派遣も含めて軍事による死者がほぼゼロという「事実上の完全な無戦争状態」が続いた国や時代は、世界的に見てもほとんど存在しません。

2度の世界大戦で中立を保ったスイススウェーデンの方が、より長く平和を維持しているという見方もあります。しかし、これらの国は日本のような島国ではなく、他国と国境を接しているため、常に高い国防意識と緊張感が必要です。その証拠に両国とも徴兵制を採用しています。
この点から見ても、日本の戦後80年の平和がいかに特殊で貴重な期間であったかが分かります。

私は今年、数え年で80歳を迎える団塊世代の一人です。終戦直後の混乱期を経験し、日本の高度経済成長、バブル経済とその崩壊、そして「失われた30年」まで、この国の歩みを共に見てきました。まさに戦後日本社会の生き証人と自覚しています。

人類の総人口は、有史以来およそ1200億人に達すると言われています。その中で、戦争のない戦後80年間をほぼ丸ごと生き抜き、平和の恩恵を享受できた団塊世代の数百万人は、極めて稀な存在です。大げさに言えば、私たちは歴史的に見ても非常に幸運な世代だと言えるでしょう。
だからこそ、この80年の平和は、人類史上稀にみる貴重な「社会資産」です。私たちには、この「ギネス級の平和」を次の世代、さらにその先へと引き継いでいく責務があるのだと思います。(戦後80年の平和を守るというSDGs)

昨今の右傾化の論評にはリアリティーを感じません。現実感がありません。戦争をゲームの様に扱っています人命尊重が感じられません。保守・革新を問わず、戦争や戦後を経験しその重みを知り「2度と戦争をしてはならない」と主張する、政治家、学者、知識人が引退や逝去により一線から姿を消していくのと無関係ではないと思います。

私たち一般の団塊世代もまた例外ではありませんが、日本の平和を守り続けるために、それぞれの立場で出来ることを続けていく必要があると考えています。その意味で、次回は、戦後の時代を描いた拙著『コペンの秋』について触れたいと思います。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です