今時の進学事情(1)

今年度の大学合格者発表がありました。近年益々首都圏、大都市圏の中高一貫校の台頭が顕著です。東大合格者のベスト10を見ても、開成197名、灘95名、聖光93名、筑駒89名、渋幕82名、麻布77名、西大和75名、日比谷67名、桜蔭62名、栄光47名と、日比谷を除いて、いずれも私立、国立の中高一貫校ばかりです。首都圏ではごく一部の公立伝統進学校(日比谷、翠嵐、湘南、浦和、西)を除いて、東大合格者はめっきり減りました。これは東大に限りません。医学部、旧帝、早慶、MARCHまで、傾斜的に同様の傾向が見られます。今回はこれに連動した東京、首都圏の中学受験について触れようと思います。
一部にエスカレータ校への小学校受験もありますが、受験が本格化するのは中学受験からです。先ず小学校3~4年になると、SAPIX、四谷大塚と言った開成(男子)、桜蔭(女子)を頂点とする東大進学を目指す塾通いが始まります。勿論、これらの塾には入塾テストがあるので、幼稚園や小学校低学年から基礎学力をつけておく必要があり、実質就学と同時に受験勉強準備に巻き込まれます。
その結果、今回の大学合格実績には、次のようなはっきりとした傾向が見られる様になっています。
まず1つ目は、都立・県立の中高一貫校の躍進です。入学段階で一定の学力層を集め、6年間を通した計画的な教育が成果につながっています。
2つ目は、中堅以下の私立校の台頭です。学校のブランド力を高めるために、東大や医学部を目指す特進コースを設けたり、奨学金制度を充実させたりすることで、優秀な生徒を集める効果が出て来ています。
3つ目は、地域の公立進学校の地盤沈下です。かつては地元のトップ層が集まっていた学校でも、中学受験の拡大によって優秀な生徒が私立や中高一貫校に流れ、相対的に実績が低下する傾向が見られます。この傾向は二番手校、三番手校に傾斜的に及んでいます。
今後は、この①〜③のような首都圏特有の現象が、なぜ起きているのか、また近隣県との違いやそこにある矛盾についても考えてみたいと思います。

