ジェンダーギャップ指数(2)

ヨーロッパ、特に北欧では「ジョブ型雇用」が主流です。一方、日本は「メンバーシップ型雇用」が中心です。この違いは、教育や社会の仕組みにも表れており、ヨーロッパは専門職志向(スペシャリスト)日本は幅広く対応できるゼネラリスト志向が基本です。

高度成長期、日本企業が海外進出した際には、日本人は「柔軟でチームワークに優れ、専門外の仕事にも対応できる」と評価されました海外の支社では、定時退社した現地スタッフを横目に、日本人だけが残って働くことは珍しくありませんでした。

しかし、やがて分かったのは、定型的な業務ではヨーロッパ人の方が効率的で、成果も高いという事実です。その背景には、性別に関係なく一人ひとりが「自分の仕事に責任を持つ」という強いプロ意識があります。これこそが、ジョブ型雇用の特徴です。

この雇用の違いは、ジェンダーギャップにも直結します。北欧では「専業主婦」という考え方がほとんどなく男女ともに職業を持ち、社会に貢献するのが当たり前です。高福祉を維持するには、誰もが納税者として役割を果たすという意識が共有されています。

一方、日本では、かつての「夫が会社員・妻が専業主婦・子ども2人」という家庭モデルを前提に年金制度が作られました。今でも、扶養の範囲内で働く女性を含めると、約3割が専業主婦です。この現実が、ジェンダーギャップの改善を難しくしている一因です。

少し話は飛びますが、北欧の人々のルーツをたどると、祖先はバイキングでした。バイキングは典型的な狩猟民族で、男性たちは家族を支えるために船で遠くまで航海し、略奪などの危険な仕事に従事していました。その間、女性たちは長くて暗く寒い冬の間家族を守り、生活を支えてきました。

こうした男女の役割分担が長い歴史の中で定着し、現在の北欧社会における「男女が対等に社会を担う」という意識や制度の土台になっているのです。

一方で、日本や一部のアジア諸国は、農耕民族としての歴史を持ちます。たとえば米作りは、ムラ全体で協力して行う労働集約型の作業でした。その中で、体力的に優位な男性が中心となり、女性は補助的な役割を担うようになり、自然と「男が主・女が従」という意識が根付いていきました。

北欧では、男女問わず個人が家族や経済的な依存から自由になり自立して生きていける社会の仕組みが整えられています。こうした考え方は、福祉国家論で知られるエスピン=アンデルセンが「脱家族化」「脱商品化」と呼んでいます。つまり、個人が家庭や市場に縛られず自力で人生を選び取れることが重視されているのです。

次回はより具体的にジェンダーギャップについて触れてみたいと思います。

 

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